ナンパ師への道
僕は、実はナンパ師だ。
ナンパ師と聞くと、「チャラい男」で「自信満々のナルシスト」で「人の迷惑を考えないやつ」と思うかもしれない。
そんなことは全くない。真逆である。
僕はチャラいどころか、29歳で素人童貞だし、
自信は全くなく、自分は世の中に何も提供できない、しょうもない男だと思ってるし、
普段は人の目を気にしてばっかりで、自分の言いたいことはほとんど飲み込んでしまう男である。
ほんと、客観的に見ると全く男らしくなく、女々しい、気持ち悪い男である。
これは子供の頃からで、はっきりしない態度でよく母親を困らせていたため、「女の腐ったようなやつ」と母親に怒られたものである。
(女性のかたを不愉快にさせるような表現ですいません。あくまで、事実に忠実に書いているだけで、他意は全くありません。)
そんな自分がなぜ、ナンパを始めたのか。
それは、会社の先輩の何気ない一言ととある出来事が僕をナンパに駆り立てたのだ。
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とある日、とある飲み屋にて。
僕の部署の大部分の人は、その飲み屋にいた。
部署を離れる人の送別会を開くため、皆でお酒を片手に談笑しているところだった。
会社の業務の愚痴で大いに盛り上がっている人達を片目に、僕は一人ビールを飲んでいた。
上記にかいた性格のため、大人数の輪の中に溶けこむのが極端に苦手なのだ。
そうこうしていると、僕の大学の先輩でもあり、会社の先輩でもあるKさんが、僕に話しかけてきた。
何気ない日常会話。そして、1対1の会話スタンス。コミュ症気味の僕でも何とか対応できる。
当り障りのない内容を話して、適当に終わらせるつもりだった。
そんな中、とある話題の中で、Kさんは何気なく次の言葉を僕に投げかけた。
「まぁ、お前はどーせ結婚できないって。特に日本の女性がお前のことを気に入ってくれるわけないやん。お前は、アジアの女の子と結婚するのが精一杯やって」
僕は、とてつもない悲しみと怒りが自分の心のなかから溢れだし、ものすごいスピードで頭に到達したかと思うと、前身がギュッと硬くなるのを感じた。
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話は変わるが、僕は、アジアの女性はすごくいい人が多いと思っている。
フィリピン、シンガポールに出張で行ったが、どちらの国の女の人もすごく献身的で、
安心させてくれる女の子が多かった。
だから、アジアの女性とお互いが恋に落ちて好きになり、ずっといっしょにいたいと思ったならば、それはとっても素晴らしいことだと思うし、すごく幸せだなと思う。
ただ、Kさんの発言は、明らかに悪意を含んでいる。
完全に男としての僕を否定している。
めちゃくちゃ悔しい。
なんで、そんなこと言われないといけないんだ。そう、強く思った。
しかし、結局、そういうふうにKさんの発言を感じ取ったのは、自分も男としてものすごく欠陥があることを、なんとなく感じていたからなのだ。
自分に自覚がないことは、怒りや悲しみがわくはずはない。
例えば、僕は日本人であり、日本語を話すことができる。
そんな僕に、誰かが、次のことを行ったとする。
「どうせお前は、日本語を話せいないって。中国語を話すのが精一杯やって」
こう言われても、???となるだけで、全く怒りや悲しみがわかない。
言われた内容に心当たりがなく、自覚していないからだ。
つまり、Kさんは、僕のコンプレックスをものの見事に言い当ててしまい、僕に大きな影響を与える事となった。
ただ、僕が本格的に行動を起こそうと思ったのは、もう一つ、ある出来事が起きたからだった。
よし。だいぶ整理出来ました。
続きは、また今度書きます。