エッセンシャル思考とはいえ、捨てればいいってもんじゃない

最近読んでいる本で、「エッセンシャル思考」という本がある。
以下の本だ。

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

まだ途中までしか読んでないが、非常にためになる本である。
書かれていることは、そんなに斬新なことではない。
前々から、なんとなく、どこかで聞いたことがある話だ。
仕事を効率的にしなさい。時間は有限なんだから。
夜はちゃんと寝なさい。昼間の時間が無駄になるから。
こんなことが書かれている。
そして、この本の中心に流れているのが引き算思考だと思う。

不要なものは捨てなさい。さもなければ、全て中途半端になる。
この本は、一貫してこの考え方を主張している。

少し話が変わるが、今日、NewsPicksでシャープとソニーの分析記事を読んだ。toyokeizai.net
分析を要約すると、以下のようになる。
ここから要約−−−−−−−
 シャープは液晶に集中してリソースを投入しすぎ、
 後戻りできなくなった。
 一方、ソニーは液晶の製造を手放すことで、
 リスクを回避した。
 さらに、金融や損保を長い年月をかけて育ててきており、
 それが結果的にリスク分散につながった。
 今のソニーを支えているのは、金融やゲームといった
 本業以外の部分である。
−−−−−−−要約ここまで
つまりは、究極の引き算を行い、液晶一本に選択・集中を行ったシャープは破れ、
多くのことに手を出していたソニーは、危機を免れ復活の軌道に乗っている。
これは、エッセンシャル思考の考え方と、相反しないか?

ひき算思考のエッセンシャル思考を極めれば、何か一つだけ残すということになる。
ただ、これでは結局シャープの背中を追うことになってしまう。
ということは、エッセンシャル思考はほんとは間違った考え方なのか?

おそらく、そんなことは無い。
エッセンシャル思考で最も大切なことは、引き算しなさい。という教えではない。
「持ちすぎるということには、失うのと同じぐらいのリスクが有ることを認識しなさい」
ということなんだ。
この意識を持ち、しっかりとどうするべきかを考えなさい。一生懸命考えて生きなさい。
きっと、こう解釈することが正しいんだと思う。
多くの人は持ちすぎるリスクをしっかり認識できずにいるから、これを認識するだけでも、
意思決定に変化があるはずだ。それも、いい方向に。

しっかりリスクを認識した上で、リスクを受け入れて選択肢を決めていく。
その積み重ねで出来た人生こそ、最後に輝く、自分だけにしか歩めない人生に
なっているんだろう。
僕は今日、それを確信した。