その先に見えるもの
昨日、会社の先輩と、とある焼き豚居酒屋(焼き鳥の鶏肉の代わりに、
ブタの様々な部位が串に刺されて焼かれて持ってくる。)でお酒を飲んでいたら
先輩がこんなことを言い出した。
「おしゃれで、女の子と行くと受けるようなバーが近くに有るんだけど
行ってみる?」
この先輩は、おしゃれなお店を沢山知っている活かしたナイスガイだ。
何人か仲良くしている女の子もいるし、合コンを開いて僕を呼んでくれることもある。
そんな先輩が誘う店なのだ。きっと、期待していいだろう。
「いいですね。ぜひ行きましょう」
僕たちは、駅前にひっそりと口を開いている地下への階段の前に移動した。
教えてもらわなければ見逃してしまいそうなその階段を足早に下り、
四角くて黒く、少し威圧感のある扉の取っ手に手をかけ、押してみる。
扉の重さが作り出すちょっとした拒絶感を感じながら、そのまま先輩と店の中へ入った。
中を見渡すと、薄暗く、いかにもバーという印象を与えるカウンターが6席ほどと、
奥に5人がけぐらいのL字のソファーが2つ置かれているのが目に入った。
カウンターテーブルの向こう側には、きれいな夜景のようにキラキラ輝いた
様々なお酒が置かれている。
カウンターに目を戻すと、数人のお客さんがお酒を飲んでおり、バーテンダーとしゃべっている人もいれば、知り合いの人と話をしながら飲んでいる人もいる。
「確かにいい所だな」
そう思っていたら、女性のバーテンダーの人が近づいてきた。
「いらっしゃいませ。ご来店ありがとうございます。こちらの席にどうぞ」
言われるがまま席につき、かばんを降ろして一息ついた。
「おしぼりをどうぞ」
差し出されたおしぼりを受け取りながら、女性にありがとうと伝える。
その時に抱いた印象は、とてもシンプルな人だということだ。
ピアスもネックレスも髪飾りもなく、指輪もつけておらず、お化粧だってどちらかと言うと薄い。
飛び抜けて美人というわけではない。だけど、とても清潔感や華があって、存在感がある。
僕にとっては、美人の店員さんというわけだ。
さて、ここでどうするか。
僕はナンパ師だ。
何か適当なオープナーで会話を開き、笑わせ、自分を印象に残し、連絡先を渡す。
それがナンパ師としての使命であろう。
そして、結論を先に述べてしまうと、僕はこれをしなかった。
しなかったというよりはできなかった。
毎週、毎週、声掛けをしに街に出ているのに、未だに怖いのである。
知らない女性と、自然に会話を始めるということが。
なぜ、怖いと思うのであろうか。
それはきっと、失敗を気にしているからである。
では、なぜ失敗することが怖いのか。
これは、自分の価値をさげてしまうからである。
ただこれは、前回の記事で考えたように、自分で自分の価値を下げているだけだ。
つまり、自分で自分価値をさげない限り、大丈夫なはずなのだ。
これが頭でわかっていても、実際に行動に移すのは難しい。
自分を後押ししてくれる力が必要なのである。
どうすればそんなことが出来るのだろうか。
そのカギを握るのは、以下の2つだと思う。
①ゴールを見据える。
②自分の気持にきちんと目を向ける。
①ゴールを見据える。
きっと何かに恐怖を感じても乗り越えたいともうということは、その先に得たいものがあるからだ。
強く恐怖を感じている時、この感覚が弱まっていると思う。
目先のことにだけ視点が行き、その先にあるゴールが見えなくなってしまっている。
僕の場合は、グローバルで活躍できるリーダーになることが目標だけど、これを忘れてしまっている。
ちゃんとこれを思い出し、そのための通過点であることを認識すべきだ。
②自分の気持にきちんと目を向ける。
恐怖を感じている時、どちらかと言うと自分の気持から目を背けていると思う。
「どうしよう。怖いなぁ。あー、なんだか無理な気がするなぁ。あぁ・・・。」
こんな感じ。めちゃくちゃダサい。
この状態の時、主導権を握っているのは感情である。だから、論理的に行動することはできない。
この主導権を入れ替えるために、自分の気持を堂々と見つめる。
「あぁ。今緊張してるし、恐怖を感じているな。大丈夫。この気持を受け入れていこう」
こう考えた時、覚悟が決まると思う。
そして、次のステージへ進む準備ができると思う。
きっとこういうことなんだろう。
見つめるものは、ゴールと気持ち。
これをしっかりやっていこう。